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図書館をうろうろしていたら、「食べられる野草」なる本を見かけました。
手にはしませんでしたが、野草を見定め「食べられる!灰汁とりはあの方法!」とか、「あれはてんぷら用だ」などど目利きができる人はなんだか知的なアウトドア人ぽくてカッコイイなと思います。
そんなことを考えつつ自転車で信号待ちをしている時、コンクリートから力強く伸びている草を見て、これも食べれるのか?
だとしたらしっかり洗って茹でないといけないんだろうなぁ、灰汁も出るだろうな。
灰汁?出汁とは何が違うのだろう。
旨味と渋味?味の問題か?
体に良いもの悪いもの?成分の問題か?
などと、知的好奇心がくすぐられたので、調べてみました。
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皆様こんにちは、はり灸こんどうです。
表題を漢字一文字で表そうとし始めています、どこまでいけるか楽しみです。
さて、灰汁は字のごとく、もともとは灰(藁など)を水に入れて出てくる成分の上澄みのことを言ったようです。
なるほど、それで「灰の汁」なのですね。
ワラビやゼンマイなどは、灰の汁をつかって灰汁をとります、なんともややこしい。
これは、灰の汁(=アルカリ性)をいれることで植物の線維がやわらかくなり、灰汁が出やすくなるようです。
そもそも、植物の灰汁は草食動物に食べられた際、苦みや渋味やイガイガ感を出すことで食べにくくさせる、または不快感を与え以後食べたくないようにする「腫を保存」を目的としたものだそうな。やるなぁ植物。
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最近なのかわかりませんが、野菜から取る出汁はベジブロスというそうな。
ネーミングが洋風で和食のイメージがつきませんが、和食にももちろん合います。
生ゴミ行きと思われる皮の部分でも十分な出汁が出ます。
いくつかの野菜を集めて、お酒と一緒に沸騰しない程度に煮出すと旨味成分が染み出てくるようです。
旨味成分は野菜それぞれで異なるため、一緒に煮出す野菜によって味も異なります。
なお、お酒を一緒に入れるのは、アルコールの揮発性を利用して野菜の臭みを飛ばすためだとか。
お酒は働き者ですね。
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それはさておき、灰汁と出汁。
野菜に限った話ですが、草食動物に美味しい!と思わせないために灰汁の成分を身にまとっているとは、恐れ入りました。
きれいな花にはトゲがあるという諺がありますが、美味い草には灰汁がある!ということでしょう。
お鍋の季節ですが、灰汁取りに任命された方は、植物たちの見事な英知を上手にすくってあげてください。
そして、美味しくいただきましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様ご自身も素敵な妙味をお持ちと思われます、包み隠さず前面に出してさらに魅力的な毎日をお送りください。
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