お会いする方々と咀嚼についてお話しする機会が増えたように思います。
噛むことの大切さは重々わかってはおりますが、ついつい早めに飲み下してしまします。
噛むにもいろいろありまして、噛みつく、噛み砕く、噛みしめるなどなど。。。
「噛みつく」は、敵対心むき出しで相手や対象物への攻撃や威嚇といった戦闘態勢の「怒り」をイメージしました。
「噛み砕く」は、親が子供に食べ物を与えつつ、噛める程度までほぐすといった親子間の「優しさ」をイメージしました。
「噛みしめる」は、あるものを時間をかけて味わったり浸ったり、エキス的なものをじっくりと味わう「情緒感」をイメージしました。
噛んで含んで伝えるという言い方もありますが、食べ物を吸収するというよりは知識や知恵といった志向にも使われるのですね。
また、噛む行為まで至らない「歯牙にもかけない」という言葉は、相手にしない「軽蔑や悲しさ」が連想されました。
皆様こんにちは、紺堂はりきゅうつぼ治療院です。
幾人かの学生さんに食事の時、噛んでる?と聞くと
「噛んでない」、「すぐ飲み込んでしまう」、「ビールで流し込む」、「舌でつぶしてるから大丈夫」という返答を頂きました。
現代は噛む行為が少なくなっているというのは本当のようです。
あるデータよると、ガムの消費量が減少しているとか。
リンク先の日本チューインガム協会という会の存在に驚きました。
協会があるんですね、時間を忘れて見入ってしまいました。
お時間ある方はぜひどうぞ。
人はそもそも、ある程度満たされていると現状維持でありたいと思う動物なのではないでしょうか。
自分が不利にならない事やお得な事には敏感に反応し取り入れようと能動的になるところも無くはないと言えます。
となると、咀嚼しなくて栄養を吸収できるなら、噛む回数を減らして全部軟らかくていい!という発想は当然の流れでしょう。
お肉なども程よい大きさになるとゴクリと飲み込んでしまうのも人のサガなのかもしれません。
そう言いながら、お肉は喉ごし🍺とある程度まで噛んだらゴクリとしてしまう経験は私にもあります、黒豚美味かったな。
ということで、生まれてこの方ゴクリと飲み込んで生活する先輩といえば、、、
ヘビですね。
とにかく、食べたものは丸のみで強力な消化液で骨まで溶かしてしまいます。
さらに、肋骨はありますがお腹側では繋がっておらず、大きなものを食べた時は肋骨が広がるようにできている。
カラダ全体が丸のみ受け入れ態勢なのですね。
インターネット上の写真にはヘビが牛を飲み込む写真なども存在するそうで、怖いもの見たさで見てみたい気もします。
話しは、咀嚼へ戻ります。
残念ながら、まだ人類はヘビほどの消化液を持っておりません。
あと数十年でいきなり進化することは考えにくい。
となると、人類の現状維持思想で言えば、あるものをそのまま上手に使った方が良い。
というわけで、口の中の唾液をもっと上手に使うべき!
私たちには口の中には比較的大きな袋が3つ存在しています。
この袋、咀嚼することで唾液をバンバン出してくれます。
人類は、楽をすることで自ら持っている素敵なシステムを無駄にしてしまっているのです。
なんと、もったいない。
この噛む行為、ものすごくエネルギーを使ってくれます。
噛みしめる必要はありませんが、食べ物を砕く程度の力でも十分です。
老若男女の永遠のテーマ「痩せる」はいつまでたっても消えないと言われています。
痩せるためにジムに通うもよし、自転車に乗るもよし、ランニングも良いのですが、真っ先に咀嚼から始めてみてはいかがでしょうか。
痩せるために頑張っている姿を見せることなく、自分の持ちうる力で減量できるとはなんと素敵な咀嚼力。
1㎏ほど蓄えている腸内細菌も咀嚼された食べ物のほうがイキイキしております。
その理由は食物繊維。
食物繊維は消化液では溶かされません。
噛みついて、噛み砕いて、噛みしめることで腸内細菌にとってほどよい大きさになります。
腸内細菌も活かし、エネルギーも消費し、胃腸の負担も和らげる咀嚼。
暑い夏に冷たいビールは最高ですが、何杯も飲むと胃腸にとってはちょっと負担。
肴をよく噛むことも胃腸にとっては負担が減ります。
良いことずくめの咀嚼は、今日からできますので是非お試しください。
なお、お米を食すのであれば、塩気すらないお米を是非カミカミしてみてください。
米ってこんなにおいしかったっけ!となります。
そのおかげで、今日の晩酌は日本酒だ!となっても私は責任取れません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様も素敵な顎を存分に生かした生活をお送りください。
で、終わるつもりだったのですが、冒頭のワニ。
あんなに長い下あごを持っていて、さらに咀嚼力がめっぽう強い。
計測してみると地球で一番強いとも言われています。
そこで、疑問点が。
写真は工具です。
工具の先端で強力な力を働かせるのですが、そのために長い柄を利用しています。
いわゆる「テコ」を使うんです。
ワニは長い下アゴも長い。
つまり、テコとは逆の構造になっています。
それなのに強力な咀嚼力をお持ちです。
一体全体どんな構造になっているのか不思議です。
ワニのアゴの魅力に取りつかれてしまいました。
これを読んでくれている方でワニのアゴに詳しい方がいらっしゃれば、是非教えてください。
よろしくお願いします。
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