
夜の図書館という行燈を灯したイベントが福岡県の春日市立図書館で開催されます(11月10日)。
そのイベントに協力させていただくのですが、おすすめの本を20冊と人生に影響を与えた本を2冊あげて欲しいとの連絡が入りました。
皆様こんにちは、はり灸こんどうです。
おすすめの本20冊と言われ、本棚に置いてある題名をざっと見通してみると、
あれも良いなこれも良いなとつい手に取ってしまい作品の中の好きな場面を探してしまって
なかなか作業が進まない至福の時間を過ごしました。
読書を楽しみつつ選び終えた時、
「この20冊からどんな風に思われるのかな?お堅い本をもう少し増やした方が見栄えが良いかな?」
という邪(よこしま)で見栄っ張りで自意識過剰な私がいることに気がつきました。
ちょっと格好つけたい思いが頭をよぎり素直になれない私。
結局選び直すのも暇がかかりそうなのでそのままになりました。
良く思われたい自我に気づくとちょっと恥ずかしいです。
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おすすめ本はさておき、
人生に影響を与えた2冊のうち、この場を借りて1冊紹介させてください。
「おおきな木」緑色の本でリンゴの木が主人公です。
この本のあらすじを知ったのは学生の頃の英語の授業です。
英文として授業で扱っていたのではありません。
テキストに挟まっていた本の宣伝紹介文を読んだときに、
19歳の私には木の気持ちが全く理解できなかったのでショックを受けました。
授業中にもかかわらず隣に座っていた友人に
「これちょっと読んで!おかしくない?」と小声でせがんでいました。
友人は訝しがりながらも一読してくれました。
私「どう、おかしいよね!」
友「どこが?」
私「だって与えてばっかりだよ、全然友達じゃないじゃん!」
友「・・・なんで?」
私「だって、木かわいそう!」
友「そんな風には書いてない、むしろ嬉しいって書いてある」
私「こんなのウソの気持ちだよ、絶対!」
友「木がそう言っているんだから、嘘でも嬉しいって言ってるんだから良いんじゃない?」
私「ありえない・・・、どうして・・・察して欲しいっていう内容だと思った・・・」
英語の先生「うるさい」
感情の高ぶりで小声のつもりが納まりが付きませんでした。
先生に目を付けられてしまった手前一人でどういう事だろうと
グルグル
グルグルグルグル
グルグルグルグルグルグルグルグル
考えていました。
休み時間にようやく「本人がそう言っているんだからそういう事なのだ」という結論にたどり着けました。
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この本を見るたびにあの時の英語の授業の光景がよみがえります。
どうして影響を与えたのかというと
それまでの私は、「自分と違う意見や感情は『そういうポーズを取っている』」と勝手に解釈していたのでした。
この本のおかげで「理解しがたい考えを持つ人」の存在と「理解しがたい考え方」があることを学びました。
この本を読んでから、人の気持ちはわからないので勝手に決めつけちゃいけないんだぞ!
と自戒するようになった気がします。
あのリンゴの木は、作品に登場した「ぼうや」に加え私も「大人」にしてくれたのかもしれません。
書いてくださったシルバスタインさんありがとうございます。
人の気持ちが分からなくなった時はこの本を思い出しています。
こども用の絵本もばかにはできないな。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
皆様にとっての「人生に影響を与えた一冊」どんな本でしょうか。
もし教えてくださる方がいらっしゃれば、
このブログのコメント欄かSNSのコメント欄で教えていただけるとありがたいです。
私の読書の幅が広がるので参考にしたいと思います。
みなさまも秋の夜長、素敵な本に出会えることを願っております。
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